団体紹介

 STARTは、日本で生活する外国人労働者・難民の方々への支援団体です。東海地方を中心に社会人、学生メンバーで支援活動を行っています。


団体の理念原則

 差別され、抑圧され、搾取されている人たちの側に立つことを原則として、そうした人たちと共に差別、抑圧に反対して、外国人労働者・難民の人権を守るために活動します。


私たちの活動の背景

 私たちの国では、日本人ばかりでなく、200万人以上の外国人が生活しています。その定住外国人のうち約40万人がオールドカマーと呼ばれる、戦争時から日本に在留する日本の旧植民地出身者及びその子孫の人々です。

 このオールドカマーに対比して、ニューカマーと呼ばれる定住外国人が1980年代から激増しました。激増の背景に、1980年代半頃から日本経済がバブル経済に突入し、極端な労働力不足に陥ったことがあります。なかでも3K職場(キツイ、汚い、危険)と言われる製造業や建設業の労働力不足は深刻化しました。このような日本人労働者が嫌がる3K職場の労働力不足の「穴埋め」をしてきたのがニューカマーと呼ばれる定住外国人労働者でした。外国人労働者は、最底辺で日本の工業・建設業などを支えているのです。

 1986~1991年にかけてバブル景気と呼ばれる好況の時代がありました。この時、日本社会は深刻な労働力不足に直面しました。仕事の注文はいくらでもあるのに現場で働く人がいなくなり、会社が労務倒産するという社会現象まで出てきました。好景気のために労働力市場は売り手市場となり、誰もがより高収入、より安全な職種へ転職していったからです。そこで求められたのが外国からの労働者の導入でした。まずそれは、アジア諸国からの非正規滞在者(在留資格を持たない者。主にオーバーステイ。)の活用として進みました。バブル景気がはじけるころには30万人以上の非正規滞在者が存在し、その多くは製造・建築現場で働いていました。彼ら・彼女らの多くは、帰国したり日本で在留資格を得たりしましたが、現在まだ約6万人がオーバーステイの人たちがいます。

 また、日本は1981年に難民条約に批准し、難民受け入れ国になりました。世界にはまだ多くの軍事独裁政権の国や紛争国があります。こうした国々から、難民受け入れ国である日本に庇護を求めて来日しています。

 しかし、同じ人間であるにも関わらず、定住外国人の大半を占める外国人労働者や、日本に逃れてきた難民が、日本社会の中で差別・抑圧されながら生きているのが現状です。

 外国人労働者・難民に対する差別に対して日本人が認知せず、また知ったとしても無関心である限り、外国人労働者・難民に対する人権侵害は永遠に繰り返され、増幅します。当然のように行われている外国人労働者・難民に対する差別を阻止することが必要です。そして、何よりも、外国人労働者・難民に対する人権侵害は、このような実態を知らず、外国人労働者・難民に対する差別を事実上容認、放置している日本人自身の問題、日本社会の問題と言えるでしょう。

 START~外国人労働者・難民と共に歩む会~は、日本社会に実在する外国人労働者・難民に対する差別・抑圧・排斥を自分の問題としてとらえ、当事者と共に差別・抑圧と闘い、外国人労働者・難民の人権を守るために活動します。