3月6日 ウィシュマさん一周忌 全国一斉行動in東海

 2022年3月6日、2021年3月6日に名古屋入管の収容施設内で亡くなったスリランカ人女性、ウィシュマ・サンダマリさんの追悼行動を全国各地で行いました。名古屋のスタンディングデモには、市民、学生、仮放免者含め40人の方が参加してくださいました。また、静岡においても、「入管の民族差別・人権侵害と闘う全国市民連合」に加盟している方たちが行動を起こしてくださいました。
今後も、ご遺族が求めるウィシュマさんの死の真相究明、再発防止に向けて東海地区においても声をあげていきたいと思います。皆様のご支持、ご協力をお願い致します。

①名古屋でのスタンディングデモでの演説

 1年前の3月6日、名古屋出入国在留管理局の外国人収容施設に収容されていた、スリランカ人女性のウィシュマ・サンダマリさんが亡くなりました。ウィシュマさんは、DV被害が予測されるために、日本政府に保護を求めていたにも関わらず、入管は、ウィシュマさんの必死の訴えを無視し、6カ月を超える長期間にわたり劣悪な環境下で拘束し続けました。入管は、ウィシュマさんに対して「帰れ、帰れ、ムリヤリ帰されるぞ」と帰国圧力をかけ、そのショックからストレスを抱え、心身ともに衰弱していったウィシュマさんを、日本に残るためにわざと病気のふりをしていると、詐病扱いして、嘘つき扱い、厄介者扱い、さらには犯罪者扱いするという、許しがたい蛮行を続けていました。
 ウィシュマさんは精神的に追い詰められ、ご飯を食べても吐いてしまったり、自力で歩くこともできない状態になってしまいました。ウィシュマさんは必死に「点滴を打って欲しい」と何度も訴えていましたが、その切実な訴えにも入管は耳を貸さず、尿検査で飢餓状態であることを示す検査結果が出ても放置し、見殺しにしてしまいました。皆さん、こんなことが許されていいのでしょうか。
 昨年5月から、スリランカのご遺族が来日し、ウィシュマさん死亡事件の真相究明、再発防止を求める訴えを続けてきましたが、法務省・入管庁は、医療体制の不備や現場職員の教育不足など、事件の責任を名古屋入管の現場に押し付け、幕引きを図ろうとしています。しかし、ウィシュマさんが亡くなった、まさに現場である、名古屋入管の収容施設をはじめ、今も、全国の収容施設では、多くの外国人が、体調不良を訴えても適切な治療を受けられないなど、ウィシュマさんと同じ悲劇が起きる危険性があります。
 なぜ、法務省・入管庁は、尊い命を奪っておきながら、また一年という長い期間が経過していながら、責任逃れを続け、問題が改善されないのでしょうか?それは、法務省・入管庁が、命を奪ってでも、自分達の命令に従わない外国人を送還することに固執し、送還を促す手段として、収容場での人権侵害を繰り返しているからに他なりません。
 今、日本社会の一員として、皆さんに考えていただきたいことがあります。ウィシュマさん死亡事件は、「外国人の問題」と安易に片付けられる問題ではありません。日本の政府、入管が、民族差別の価値観に基づき、外国人に対する人権侵害を日々繰り返している現実を見過ごし、放置しても良いでしょうか?「二度と同じような事件を起こしてほしくない」というご遺族の想いを真摯に受け止め、入管の民族差別、人権侵害と闘い、より民主的な社会を実現していくことが、日本人としての責務を果たすことになるのではないでしょうか?
 ぜひ、私たちと共に、声を上げ、闘っていきましょう。よろしくお願い致します。
 

②ご遺族、ワヨミさんからのメッセージ

   姉であるウィシュマが、私たちのもとを去ってからもう1年が立ちますが、未だに彼女の魂が、そこここに佇み巡っていると私たちは感じております。 入管は、彼女を苦しめて死なせてしまったのに、未だに彼女のために正義は行われておらず、入管は責任を認めていません。 それが、私たちにとっては非常に悲しいことなのです。 彼女が命を奪われてしまって今日でちょうど1年立ちますが、私から繰り返し求めたいことは、このように人の命が奪われないように、入管が再発防止対策をすることです。 本日参加して頂いた皆様に、心から感謝を申し上げます。