9月14日 ウィシュマさん死亡事件裁判 第3回口頭弁論 傍聴のお願い

 9月14日(水)14時30分より、国賠訴訟の第三回口頭弁論が名古屋地方裁判所で行われます。弁論終了後、裁判所近くの会場(桜華会館)にて記者会見、支援集会を行います。


 7月20日に行われた第2回口頭弁論では、被告である国側から、準備書面、およびビデオ開示に関する意見書が提出されました。
 提出された準備書面の内容は、法務省―入管庁の姿勢として、ウィシュマさんの死の責任を認めないどころか、原告側の主張が誤っているという内容です。
 例えば、ウィシュマさんの1回目の仮放免申請を不許可としたことについて、逃亡の恐れが払拭できなかった、保証人の信用がないなど、いろいろと言い訳を連ねていますが、ウィシュマさんが仮放免を希望した理由である、DV被害者であるということについて、入管がどのように状況を認識し、判断したのか、何も触れていません。ウィシュマさんは、DVを恐れて帰国を拒否していたにも関わらず、入管側はDV被害について、まともに調査していません。「逃亡の恐れも払拭できず、DV被害が不法残留に影響を与えたとは認めがたい」などと、ウィシュマさんに事情聴取をすることもなく、勝手に解釈して仮放免申請を不許可にしたのです。
 他にも、入管は、水分補給のドリンクの提供や薬の処方、看護師によるリハビリを行っていたことを挙げて、自分達がウィシュマさんの体調不良を看過して死に至らしめたことを否定しています。しかし、「なぜ、点滴を打たなかったのか」という肝心な部分には全く触れていません。また、なぜ、ウィシュマさんが嘔吐を繰り返すようになり、かつ悪化していったのか、このことを調査することなく、自分たちに責任がないことを主張しています。入管がやったことをいくら挙げたとしても、入管の管理責任を否定する根拠にはなりません。全て自分達の都合の良いように解釈するための理由づけです。
 このように、日本政府、入管庁からは、ウィシュマさんの命を奪われた、ご遺族の気持ちに誠心誠意向き合って、再発防止を徹底化する姿勢は感じられません。
 また、生前のウィシュマさんが映ったビデオの開示について、国側は、「295時間分(全て)の開示をする必要はない。必要だと言うならば、具体的に必要な部分を示してください。」と主張し、すべてのビデオ映像の開示を拒否しています。
 ウィシュマさん死亡事件の真相解明のためには、ビデオの全面開示が必要です。9月14日の裁判においても国側がウィシュマさんのビデオをすべて証拠として提出するかが、重要になります。
 ご遺族の、ビデオをすべて見せてほしいという道理ある要求を、日本社会に住む私たちがしっかりと支えていかなければなりません。9月14日の裁判傍聴、裁判後の記者会見傍聴、支援集会への参加などご支援をよろしくお願いします。