7月28日 名古屋入管への申し入れ

7月28日、名古屋入管に対し3月6日に起きた死亡事件の真相究明と再発防止を求める申し入れを行いました。提出した申入書は本投稿の下部に掲載しています。

6月23日に申し入れを行った際、体調不良者として挙げた5名のうち2名は仮放免許可になりました。(「6月23日 名古屋入管への申し入れ」の記事参照)しかし、残りの3名は未だ仮放免が実現せず、体調は悪化しています。
申入れでは、6月23日に引き続き、申入書に記載した3名の被収容者をはじめとして、現在の名古屋入管の被収容者、とりわけ体調不良者に対する対応が、入管法に定められた「収容に耐えられない者を収容してはならない」という原則に反する状態にあることを指摘し、直ちに仮放免許可を与えるよう抗議しました。
申入れに対して、名古屋入管からの明確な回答はなく「関係部署に共有、確認する」と回答するのみでした。

申入書に記載した3名の被収容者のうち、①と③の被収容者は薬漬けの状態にあります。前回の申入れ時(6月23日)と比較しても、より多くの種類の、より強い薬を処方されていますが、症状は悪化しています。このような状況からして、入管では治療を目的とした医療が行われていないことは明らかです。
②の被収容者は、同じ外部病院での検査を何度か行っているものの、体調不良の原因が分からず「病名なし」の診断が続いており、薬も処方されているものの症状は日々悪化しています。3月6日に亡くなったウィシュマさんが、2月5日に中京病院で診察を受けていますが、7月17日にご遺族と弁護士が、診察をした医師と面会をした際に、「入管からの委任事項として、(中略)消化管疾患の除外(ルールアウト)をお願いします。」という依頼を受けていたことが明らかとなりました。「ルールアウト」とは、特定の疾患の可能性を除外することが目的の検査であり、患者の訴える体調不良の原因を明らかにするための検査ではありません。そのため、ウィシュマさんが体調不良を訴え、症状が進行していた状況にありながら、「異常なし」の診断が出されていたと考えられます。②の被収容者の状況は、上記の事例と酷似しており、死亡事件以降も被収容者に対する医療対応が根本から是正されているわけではありません。

申入れに対応した総務課は、名古屋入管の対外的な窓口でしかなく、被収容者の処遇を担当する部門(処遇部門)や、仮放免審査を行う部門(審判部門)は異なる部署として存在しています。これらの部署で、被収容者の処遇や仮放免審査の判断について、どのような検討がなされているのか把握するためには、関係部署を集めた組織的な検討の場を設けることが不可欠です。今回の申入れに対して、総務課の職員から明確な回答が一切出されなかった状況からして、死亡事件の真相究明、再発防止に向けた名古屋入管としての組織的な検討が行われておらず、収容場の処遇改善も全く進んでいないことを示しています。

このままでは最終報告書も中間報告書の焼き直しになる可能性が高く、スリランカ人女性の死の責任の所在が曖昧なままに事件の幕引きとなる恐れがあります。STARTとしては死亡事件の真相究明、再発防止の徹底化に向けて、現場の活動を通じて名古屋入管を監視しながら、収容場の実態を明らかにしていきます。

7月28日 申入書

(被収容者の名前、国籍、収容区画は伏せています)