3・4名古屋入管抗議行動、訴状提出、記者会見、支援集会への呼びかけ (2022年3月2日)

2021年3月6日、名古屋入管に収容されていたスリランカ人女性、ウィシュマ・サンダマリさんが亡くなってから、間もなく1年が経ちます。被収容当時、ウィシュマさんは、DV被害を訴えていたにもかかわらず、入管から帰国圧力をかけられ、そのうえ詐病扱いされたために体調を崩し、入管によって単独房に「保護」されたまま、2カ月ほどで亡くなってしまいました。

入管は、保護すべき対象であったウィシュマさんを、「国外退去命令に従わない厄介者」として扱い、また「仮放免で一時的に収容を解かれるための詐病である」と判断していました。その結果、点滴を打ってほしいという命の懇願すら無視され、ウィシュマさんは入管によって見殺しにされました。このような非情な処遇の背景には、法務省入管庁の、国外退去強制命令を受けた外国人(被退令者)に対する、その命や健康よりも送還業務を優先する「送還一本やり方針」があります。ウィシュマさんは、医療体制の不備や職員の意識の欠如という問題以前に、「送還一本やり方針」に忠実に従った名古屋入管の処遇によって、すなわち法務省入管庁の方針によって、命を奪われた犠牲者です。

 入管庁には、収容主体として被収容者の命や健康を守る高度な管理責任義務があります。その管理責任義務を果たすことを前提として、入管に収容権が与えられています。しかし、そのような自覚が法務省入管庁には欠如しています。これは立憲主義にもとづく民主主義国家の恥さらしです。管理責任義務を果たしていない入管に、収容権を認めることはできません。

ウィシュマさんのご遺族は、ウィシュマさん死亡事件のような、入管による被収容者虐待事件が二度と起きないように、その真相を究明するために、今回、名古屋地方裁判所に損害賠償訴訟を起こすとともに、ウィシュマさんが収容されていた部屋の監視カメラのビデオの引き渡しを求めています。また、入管収容施設で何が起こっているかを、日本人が外国人が、そして、国際社会が知るべきだと述べています。ご遺族の道理ある要求を、私たち支援者、日本国民がしっかりと支え、実現させていかなければなりません。

私たち「入管の民族差別・人権侵害と闘う全国市民連合」は、活動方針として、①名古屋入管死亡事件の真相究明、及び遺族へのビデオ提供、②「送還一本やり方針」の撤回、③入管医療の抜本的改革、この3点を掲げています。また②については、3000人強の被退令者のすべて、あるいはそのほとんどを送還しようとする入管の送還方針から、国際基準に基づく難民受け入れ、在留特別許可の大幅緩和、すなわち救済方針への転換による解決を求めています。そのためには、入管の民族差別、人権侵害の実態を多くの市民に知らせ、当事者の道理や権利を守る世論を作り上げていく必要があります。

以上の位置づけから、今回の行動を行います。ぜひ多くの方々がご参加いただきますよう、心から呼びかけます。

当日の企画

主催:入管の民族差別・人権侵害と闘う全国市民連合

日程:2022年3月4日(金)

当日の予定: 9時 名古屋入管前にて 抗議行動

12時30分 名古屋地方裁判所前に集合

13時    名古屋地裁にて、ポールニマさん、弁護団、訴状提出

13時30分 記者会見 会場:桜華会館(名古屋地裁前)松の間

15時     支援集会 会場:桜華会館(名古屋地裁前)松の間

               ①ウィシュマさんのご遺族代理人弁護団からの報告

               ②ポールニマさんからの挨拶

               ③支援者から意見表明

名古屋地裁へのアクセス:

市営地下鉄名城線市役所駅(5番出口経由)から徒歩10分

市営バス(名駅14系統等)名城病院バス停から西へ徒歩4分

                                       以上