スリランカ人女性との面会記録
※2021年7月7日付で面会記録の最新版を公開していますので、そちらを参照してください。
体調不良が深刻化していった1月下旬以降の面会記録を報告します。
2021年1月28日(木)(電話)
・夜9時前、STARTに電話が入る。「吐いて、血が混じっていた。死にそう。」
2021年1月29日(金)(面会)
・1月28日、27日の検査結果について「問題ない」と言われた。
・晩御飯にカレーを食べた後、夜9時ごろに嘔吐・吐血する。
・入管職員から「迷惑だから」と言われ、単独室に移された。
・めまい、胸がどきどきする、手足が痺れる、下半身が重くて動かない。
・この時点で処方されていた薬はビタミン剤(メコバラミン錠500トーワ0.5㎎)とロキソニン。女性はビタミン剤のみ服用。
2021年2月3日(水)(面会)
・車いすで面会室に来る。
・食べても吐いてしまう、食べられない。薬も水も飲んでも戻す、歩けないと訴えていた。
・吐いたものは、担当さん(入管職員)が掃除してくれた。
・日曜日(1月31日)から、歯がとても痛い、頭が痛い、おなかが痛い。
・面会中に吐きそうになり、口を押えて我慢していたため、途中で面会を中止した。
2021年2月5日(金)(面会)
・職員から、本人が起きてこないと伝えられ、面会中止。
2021年2月8日(月)(面会)
・車椅子に乗り、バケツを抱えて面会室に来る。面会中に吐く。
・2月5日に外の病院に行って、胃カメラの検査をした。通訳はいた。
・また体重が減って、入管にきてから15.5㎏減った。
・痺れが体中に出ている、夜には熱(体温)が37.7℃、朝は37.6℃まで上がった。
・担当職員がうるさい。
・部屋が替わって、新しい毛布を使うことができたが、歩けないので取りに行けない。
職員は持ってきてくれない。
同日(処遇部門に要請)
・外部の病院で行った内視鏡検査の結果は、胃の中にいくつか糜爛(ただれ)があるが、「重篤な状態ではない。」(処遇職員の発言) 点滴を打つことについても話があったが、「長い時間がかかる」ということで、入管側は「入院と同じ状態になるので」、点滴をうたずに女性を入管に連れ帰った(処遇部門の職員から聴き取った話)。
・入院させ、点滴を打つことを要請。
同日(はがき)
・5日に面会行けなくてごめんなさい。体調が悪かった。いつも面会があるときに、叫ぶ女性(職員)がいて、彼女は普段間違った情報をくれるから、彼女の言ったことを気にしないようにしている。
・病院に行って検査をした。胃カメラの検査で「normal(正常)」と言われたが、私 は大丈夫じゃない。
2021年2月9日(火)(面会)
・車いすに乗って面会室に来た。バケツを抱えていた。
・今日の10時過ぎ、トイレに行きたくて職員を呼んだけど、職員は部屋の中に入らないで、ドアのところに立ったまま「一人でやって」と言った。職員は助けてくれなかった。
・仕方なく自分で立ち上がって歩こうとして、転んでしまい、左脇腹や左腕、右肘
を強く打ってしまった。
・自分で起き上がることができなかったので、そのまま床に倒れていた。
⇒女性(女性ブロックの大部屋に収容されている人)がきて、私を抱き起してくれた。
・シャワーにもトイレにも行けない。
・おかゆを食べているが、スプーンが欲しかったのに、職員からフォークを渡された。
・ご飯のおかずは脂っぽいものが多いし、柔らかくない、ご飯は臭いし冷たい。
・唇が渇くので薬がほしいと職員に言ったら、「自分で買って」と言われた。
でも、注文の紙を持ってきてくれない。
・朝9時の点呼のときは、体が動かなくても、職員から「座って」と言われる。
・ナース(看護師)が一度部屋に来た。
・点滴をやってほしいと言っている。
2021年2月10日(水)(面会)
・昨日の夜37.0度、朝37.2度だった
・胃がねじれるように痛い。体中痺れがある。
・昨日、車いすでシャワーに行った。今日の朝、部屋の掃除をやった。
・職員は毛布2枚を交換してくれない。
(単独室に移った時に、毛布を2枚交換することができたが、女性は自分で毛布を持って来ることができなかったため、新しい毛布に交換することができず、古い毛布を使い続けていた。)
・水を飲んでも吐いてしまうけど、OS-1(経口補水液)は戻さない。だから、OS-1で薬を飲んだ。
・ゆで卵、りんご、洋ナシが欲しいと話していた。
同日、面会後、処遇部門と審判部門に口頭で申し入れ
⇒支援者からは、1月ごろから入院、点滴を要求していたが、入管側はそれに応えなかった。この時も「経口補水液をあげているから大丈夫」、「熱が続くようであれば対応する」と言っていた。
審判部門にも、入院、点滴が必要であると訴え、入院させないならすぐに仮放免するように申し入れた。
2021年2月12日(金)(面会)
・バケツを持って、車いすに乗って面会室に来る。面会中に何度も嘔吐。
・目がうつろで話しているときも焦点が定まらない
・水を飲めない、経口補水液を飲むことしかできない。1日に600mlしかもらえず、私が欲しいと言っても職員は渡してくれない。
⇒職員が私をトイレに行かせないためだ、と話していた。
・職員からご飯を「食べて」と言われるが、それもできない。
・37.5℃以上の熱がある。体が石みたい。
・ロッカーまで物を取りに行けない。夜、職員を呼んでも来てくれない。
・ナース(入管の看護師)から、「外の病院に連れていってもらえるように言っておく」と言われた。
2021年2月17日(水)(面会)
・2月16日、局内の医務室に行く。
⇒通訳がいなかったため、本人に診察内容がはっきり伝わらなかった。
このときは整形外科医が来ていて、足の具合を診察したが、本人は食べられない
ことを訴えていた。医者から「病気だから、専門の医者に診てもらった方がいい」と言われた。それに対して、職員は「病気じゃない」「コロナだから入院できない」と言っていた。それを聞いた医師は驚いていた。
・2月16日、1回目の仮放免許可申請がダメ(不許可)と言われた。
・呼吸ができない、胸が苦しい。
・ご飯を食べられなくて、OS-1も吐いてしまう。
・字を書けない、手がうまく動かせない。
・「職員は、外に出るために、私がずっと嘘をついている(演技をして)と思って いる」と話していた。
・歩けないのにリハビリだから「歩け」と言われている。トイレに行こうとしたが、
倒れて左脇腹を打ってしまったが、職員を呼んでも助けてくれなかった。
2021年2月19日(金)(面会)
※女性と面会する直前に、入管職員から女性の状態について話があった。
⇒女性は嘔吐しているが、菓子パンを食べ、コーラを飲んでいる。
トイレに行くとき転んでしまい足を痛めた。今後、神経内科に行かせることや、
入院して点滴を打てるようにすることも検討しないといけない。(この発言が、職員の個人的見解か処遇部門の見解かは不明。)
・菓子パンや炭酸飲料を食べたり飲んだりしているが、結局吐いてしまう。
・トイレはベッドの横にあるが、移動するときに何度か転んでしまい足が痛い。
・体温は昨日の夜が36.9℃、今朝は37.2℃で普段よりは下がっている。
・16日に仮放免許可申請が不許可になったため、2回目の仮放免許可申請書類を差し入れする。申請理由は、嘔吐を繰り返しており、状態が悪化している。早急に外部の病院で点滴治療を行うため。
2021年2月22日(月)(面会)
・入管にきてから20㎏やせたと話す。
・今日、局内の病院(医務局)に行く。
2021年2月24日(水)(面会)
・職員から、本人が体調が悪いから面会できない、と言ったと伝えられ、面会中止。
2021年2月26日(金)(面会)
・まだ病院が決まっていない。
・ナース(看護師)が来て、手足のマッサージをしてくれた。
・おかゆを少し食べた。
・トイレに行けない、お腹が痛い、口から血が出る。床に転んでそのまま寝た。寒かった。
・シャワーしてない。
2021年3月3日(水)(面会)
・頭がいっぱい痺れる、手足がちゃんと動かない。転んで(顔の右側のおでこを指して)床にぶつけて痛い。
・耳の中で電車が走るような感じ。首が痛い。めまいがする。
脈拍が64。夜、熱が37℃。
・夜は職員が来ない。別の仕事があるから行けないと言われた。
・水も飲めない、食べられない、トイレに行けない。
・朝おかゆを食べた。OS-1も飲んだ。今は戻さなくなった。これから頑張って食べる。
・洗濯用の洗剤と柔らかい歯ブラシがほしい。
・外の病院にいつ行くかはわからない。
・面会室を出る間際に、「今日、連れて帰って」と言っていた。
・面会した時の状態として、今回はマスクをしていなかった(マスクをしていると、呼吸が苦しいからではないかと推測。)。目がくぼんでいて皮膚に張りがない。唇が半分黒くなっていて、荒れている。口元に唾液がたまっていて、話すと泡になる。泡を吹いているように見える。車いすに寄りかかっていて、上体を動かせない。腕を伸ばすことができず、指も伸ばせない状態。頭から上着を被っていて、異様な雰囲気だった。
面会後、処遇部門に申し入れ
・このままでは死んでしまう。すぐに入院させて点滴を打ってもらいたい。
これに対して、職員は「予定は決まっている」と答えるのみ。
2021年3月5日(金)(面会)
・職員から、本人に声をかけたが「動けない」と言っていて、面会室に来られない。
洗剤と歯ブラシの差し入れは受け取ると言っていた、と報告され、面会は中止。
2021年3 月6日(土) (面会)
・午後 2 時 5 分ごろ見回り中の職員の呼びかけに反応なし。脈拍とれず。緊急搬送された病院で午後 3 時 25 分に死亡。
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