【9/27(水) 名古屋地検は起訴処分を!】

「入管の民族差別・人権侵害と闘う全国市民連合」が呼びかけている、ウィシュマさん死亡事件の刑事告訴を求める署名の二次提出を、2023年9月27日に行います。

 

○当日のスケジュール

名古屋地検門前集会 11時30分~11時45分

市民連合 署名提出 11時45分~12時

 

 

▶今回の提出に至った経緯

 2021年3月、名古屋出入国在留管理局(以下、「名古屋入管」といいます)の収容施設で、スリランカ人女性のウィシュマ・サンダマリさん(当時33歳)が亡くなりました。

ウィシュマさんのご遺族は、ウィシュマさんが亡くなったことについて死の責任を明らかにしたい、そして同じような悲劇を防ぎたいという想いから、2021年11月9日、名古屋入管看守責任者等13名を殺人の罪で告訴しました。それに対して、2022年6月17日、名古屋地検は、「嫌疑なし」の判断をし、不起訴処分としました。

 

何度も繰り返し点滴を打ってほしいと懇願するウィシュマさんに点滴の一本も打たない、飢餓状態を示す値が出ても、適切な医療を受けられない、などの事実が考慮されていない検察庁の判断に、全く納得ができなかったご遺族は、2022年8月8日、検察審査会(国民の中から選ばれた11人の検察審査員が検察官の不起訴処分の当否を審査する機関)に対して同不起訴処分に対して審査申し立てをしました。これに対して、検察審査会は、「このまま納得することができず、業務上過失致死罪の成否について再検討することが相当である」として(業務上過失致死罪について)「不起訴不当」の判断が出されました。

 

第一次提出では、名古屋地検に対して、業務上過失致死罪で起訴することを求めてご遺族・弁護団から意見書を、市民連合から署名を提出しました!

 

▶意見書・署名提出の状況

 ご遺族・弁護団からは、意見書を提出しました。その中で、まだご遺族の聴取が終わってないことに対して聴取する予定があるのか聞いたところ「予定はない」との返答が返ってきました。これに対し、聴取してほしいと訴えると「検討します」のみで、いつ聴取が行われるのか見通しのないままでした。

 市民連合からは署名の提出を行いました。直接検事に渡すことはできず、職員に渡す形になりましたが、署名についてはしっかりと受け取ります、という対応でした。

 

▶ウィシュマさんの母、スリヤラタさんからのコメントを意見書と共に提出しました。

(コメント全文)

私は、ウィシュマの母のスリヤラタです。

 

私の娘ウィシュマが入管に収容されたときに、娘は健康でした。それなのに、収容された後、娘は、車椅子に乗せられるほど体調が悪化しました。娘が車椅子に乗ることは、それまでありませんでした。娘の心と身体は、圧迫されてしまいました。血まで吐くほどに。あんなに健康だった娘の体調が、短期間のうちに、自力で体を動かせないほど悪化してしまいました。娘を狭い個室に閉じ込めてしまい、自分の力では何もできないほど体調が崩れてしまった娘に適切な治療すら与えずに、死に至らしめるまで娘を放置し続けた入管側の方々が、殺人罪という扱いにならないのは何故なのでしょうか?

 

私の娘は、何回も、命乞いのようにして職員に助けを求めたと聞いております。娘の方から、「死ぬ」と、何回も職員に言っています。職員たちは、それを深刻に受け取らず、気にせずに、「大丈夫」「あなたは死なないよ」「死んだら困るもの」と娘に言っていたのです。

 

ひとり部屋で収容し続け、死ぬ直前まで、苦しみ続けた娘の様子を見ていても、その死苦をわからないふりをしていた職員たちが、殺人罪で起訴されるべきということに本当にならないのでしょうか?

 

検察官に伺いたいのです。貴方のご家族の方がこのような悲劇に直面したならば、現在、私がどれほど泣き崩れ、悲しみの中を生きているか、その私の気持ちを、貴方にも理解できるのではないかと思います。

 

お願いです。真実を隠さないで下さい。下の娘たちが日本の法律を信じて検察官に告訴した目的はウィシュマにきちんと正義を行ってほしいという強い期待があるからです。

娘のケースは、犯罪です。何故、娘の死を殺人事件として扱わないおつもりでいるのでしょうか?

時間を無駄に掛けて不起訴にするなら、真実を隠してしまうことになってしまうと私は感じています。

真実は明らかに浮かび上がってきているのです。法律を明快に執行することを私は強く望んでいます。

 

 

▶記者会見でのご遺族からのコメント

 ・ワヨミさん

 姉の死に責任ある人々を必ず起訴して下さいと、検事さんにもういちど、強くお願いしてきました。あとどのくらい待てば、名古屋の検察庁は、姉ウィシュマの死に正義を行ってくれるのでしょうか?姉が亡くなって、もうすぐ2年半が経とうとしています。

 もう何をやっても、姉は返ってこないことを私たちは、知っています。いちど失われた命は、二度と戻って来ないのです。それでも、なぜ、私たちがこんなに真剣に、そして強く起訴を求めているか、検事さんにも、皆さんにもどうか分かって下さっていただきたいのです。

 正義は、それ自体が、かけがえのないものです。姉ウィシュマは、収容された者が人間として扱われることのない狭い部屋に閉じ込められて、助けを求めながら、苦しみながら、死んでいきました。失われた命はもう戻りません。けれども、私は、ウィシュマから命の他に奪われた、もうひとつのもの、つまり、「人間としての尊厳」を絶対に取り戻したいのです。それこそが正義だと信じるからです。そして、日本の入管施設で、もう誰も死なないためにも、今こそ、日本の裁判所で正義が行われることが必要なのです。

 もうひとつ申し上げます。私は、国家の施設が人間から命と尊厳を奪う社会では、実は誰も尊厳を持って生きることができないと思っています。

 検事さんには、日本社会に生きる全ての人々の正義を守るためにも、姉の死に責任ある人々に対する処分で正義を示していただきたいのです。

 JUSTICE FOR WISHMA, JUSTICE FOR YOU ALL.

 いつも、皆さんの応援に励まされています。日本市民の皆さんに深く感謝します。これからも、どうか、私たちと共に歩んで下さいますよう改めてお願い申し上げます。

 

・ポールニマさん

先日、「検察が、姉の死について不起訴にする方向で調整している」というニュースが流れました。私は、大変、驚きました。昨年末、日本の市民によって構成される検察審査会という組織が、「不起訴は不当」という判断をして、検察が再捜査をしていると聞いています。7月12日には、担当の検事さんに会って、起訴するようにお願いをしました。私たちはこの事件について不起訴とすることに納得できないのです。今日は、もう一度、担当の検事さんにあって、お願いしたいと思って、来ました。

 姉は、名古屋入管の中で死にました。食べること、飲むことがほとんどできなくなり、やせ細って、自力で動けない状況になっていました。病院に連れて行き、点滴をすることを求めましたが、入管は聞きませんでした。姉は見殺しにされたのです。それなのに、名古屋入管の責任ある幹部や、担当していた職員が、なんの罪にも問われないということは理解ができないことです。もし、不起訴という判断がなされるなら、それは、検察が、入管をかばったということになると思います。日本が、法治国家であり、人権が守られるくにであれば、そういうことはあってはならないことだと思います。

 今日、もう一度、担当の検事さんに姉の死亡した事件で起訴するように求めました。私たち遺族の声を、必ず受け止めてほしいを思います。

 

 食べても吐いてしまう、自力で身体を動かすこともままならない状況を目の前にすれば、医療関係者でなくとも緊急搬送するはずです。こんな当たり前のことが国家機関の中で為されないことが異常であり、衰弱していくウィシュマさんをそのまま放置した入管に責任があることは明らかです。スリヤラタさんのコメントにもありますが、これは殺人罪で起訴されるべき事件です。しかし実際は、検察が同じ国の中の組織である入管を庇い、責任の所在をうやむやにしようとしています。こんなことが許されてはいけません。

今回は署名の第二次提出です。市民・学生の圧倒的な世論をもって名古屋地検を包囲し、起訴を実現しましょう。STARTとしては、ご遺族の願いである、真相究明・再発防止にむけて、これからも一緒に闘っていきます。

(今回もご遺族が参加されます!)

 

★1万筆を目標としています!

署名がまだの人は、こちらからぜひ署名のご協力よろしくお願いいたします。

キャンペーン · #JusticeForWishma ウィシュマさん死亡事件について、名古屋地検に起訴処分を求めます · Change.org

 

署名提出の後は、第9回ウィシュマさん口頭弁論です。

詳しくはこちらをご参照ください↓